HEMSとは・・・
ホーム・エネルギー・マネージメント・システムのことで、住宅のエネルギー管理をしてくれる機器です。
今までの省エネ対策といえば「スイッチをこまめに切ること」や「省エネ家電に変える」「LEDに交換する」
人による「節電意識」に頼るものでした。
また「節電意識」をしていても、節電効果を得られるには翌月の電気使用量の請求が来ないとわかりづらい
という状態でもありました。
このような問題の対策として、住宅の使用するエネルギーを「見える化」することにより「省エネ」「節電」につながるシステムとして考えられました。
「見えることによる節電意識」+「自動で制御する」機能も備えています。
1・HEMSのはたらき
全ての照明や機器を制御するのではなく、家庭で多くの電力を使用する家電や、制御に必要な機器と
つながることにより、人の意識では忘れがちなことや、わかりづらいことを制御してくれます。
・制御の対象になる主な重点8機器
(1)スマートメーター
(2)太陽光発電設備
(3)蓄電池設備
(4)燃料電池
(6)エアコン
(7)照明機器
(8)給湯器
※今後も制御される機器は増えると予想されます。
2・HEMSの通信規格
住宅のすべての電気製品が同一メーカーのものを使用していることはあまりないと思います。
異なるメーカーごとの通信を共通化し、どのメーカーのものでもHEMSにつなげることが必要です。
HEMSを導入するにあたり、そのHEMSのメーカーの物しか制御できないのであれば、導入は考えにくいです。
そこで、共通の通信規格が「ECHONET Lite」(エコネットライト)です。
この通信規格「ECHONET Lite」によって家電や機器の情報を得ることができ、計測や制御が可能となります。
3.HEMS導入の問題点。
HEMSと各機器との連系で、問題となるのがその接続をどうするか?です。
無線で飛ばせるのであれば問題ないのですが、有線となるとその配線の問題があります。
新築時に、「検討・導入」されるのであれば、内線工事の段階で配線可能ですが、すでに住まわれている住宅
では、配線を隠すことは難しい状況になります。
4・HEMS導入のポイント
主要8機器のうち、(6)エアコン(7)照明機器は大体の家庭にあると思います。この(6)(7)だけの
ためにHEMSを導入するのは非常にもったいないです。
理由はHEMSの能力を活かすことができないことです。(人による「節電意識」でかなり効果が得られます。)
ただ、東京電力のサービス「でんき家計簿」のように、電気の使用量がわかることは「節電意識」に
つながります。
太陽光発電設備、蓄電設備の導入や、給湯器をエコキュートに変えるときなどは導入することにより
「使用する電気量」「買う電気」「売る電気」「蓄えられている電気量」などがわかります。
HEMSとの連系で節電の効果が得られる家電の検討も必要だと思います。
また、各メーカーのHEMS導入のポイントがそれぞれあります。
5・HEMSを導入すると・・・
HEMSを導入すると、どのようなことができるのか?また今後どんなことができるのか?を「Panasonic」の
製品で紹介します。(2015年4月のカタログより)
特徴1・・・電気をいつ、どこで使ったかがわかる。(見える)
・時間や日別、月別、機器別でグラフによりどのように電気を使用しているかがわかる。(見える)
対策・・・比較することにより、どの機器が使いすぎたかがわかるので、その対策ができる。
特徴2・・・現在どの回路で電気を使用しているかがわかるので、無駄な電気を見つけることができる。
・回路ごとに名称をつけて、必要ない電気を見つけて消すことができる。
対策・・・無駄な電気を消す。
特徴3・・・生活スタイルにあった料金プランを選べる。
・昼に電気を多く使う家庭、夜に電気を多く使う家庭と生活スタイルによる電気使用量がわかる。
対策・・・電力会社の料金プランで、一番電気を安く買うプランに変更し、光熱費を削減する。
※特徴2は分電盤の交換が発生します。(例外は、Panasonic HEMS対応分電盤がついている場合)
また、「太陽光発電設備」「蓄電設備」「エコキュート」「IHクッキングヒーター」など、使用する設備との
組合せで、それぞれの特徴を把握することができて、対応することができます。
まとめ
「どのような機器を現在使用しているか」「どういう機能を求めるか」「今後導入する機器を選ぶかなど」
要望に対応することが可能となります。また、今後の機能の進歩でどのようなことができるのかを
検討することができます。
一番の特徴はやはり、「見えること」です。普段気にしない無駄を見つけることが「省エネ」「光熱費削減」
につながります。
(※設備の機能との連携をするためにはいくつかの条件が発生します。)
☆HEMSの特徴と今後の展開はHEMS事例ページで紹介していきたいと思います。
HEMS導入も納得いく形で検討すること、理解して導入することをおすすめします。「これは出来る」と思って
導入したのに、「出来る」には「こんなことを追加でしなければいけないの?」なんてことがないように、
しっかりとした情報で、要求に応えられることを理解して導入ができるよう、ご提案できればと思います。