☆理想の玄関
・理想とする玄関はみなさんそれぞれあると思います。カタログで見る玄関、CM等で見る玄関、そして
おじゃまするおうちの玄関を見て、「素敵だな~」とか「こんな玄関がいいな~」など感じることもあると
思います。
◎理想の玄関は、玄関スペースが広く、靴の数も少なく、段差のない明るい空間だと思います。
・新築住宅をこれからご検討される方は、いろいろなことを考えて設計者と打ち合わせできますが、現在
住んでいる方は、どのような工夫で少しでも理想の玄関に変えていくことができるでしょうか???
1・家族の人数
・家族の人数が多いとどうしても靴の数が増えてしまいます。運動する靴、出かけるときの靴、出入りが楽な
サンダル、お気に入りの靴、お仕事用の靴などなど、結構な数になってしまいます。そしてこれらの靴は
ほとんど下足入れにはしまわないで、土間の隅っこに置いてあることがあります。
☆靴の数が少なくなると、玄関が少し広く感じます。
2・備え付けの靴入れ
・多くの靴を備え付けの靴入れにしまうことが出来れば良いのですが、長靴やブーツなどはスペースを多く
とってしまいます。毎日履く靴を備え付けの靴入れにしまうことはなかなかできません。使用頻度の高い靴を
2つ、共有できるサンダルを一つと決め、残りは靴入れにしまう。入らない場合は別の場所に収納すること
ができると良いと思います。
☆靴の収納は玄関と決めず、別の収納場所にしまうことのできる靴を選ぶ。
3・玄関に置きがちな物・・・
・玄関は出かける前の最終段階の家の中です。そのためどうしても必要なものが置かれやすいです。
そして、忘れたくない物なども目につきやすいところに置いてしまいます。鍵などの小物は多くの場所を
とりませんが、かばんなど比較的大きいものも玄関に置いてしまうことがあります。なるべく壁掛けなどを
利用して玄関の床の部分には置かないようにしたいです。
参考・・・我が家の玄関(朝の状態)
※この状態で家族5人の内、3人はもう出かけております。つまりはかない靴がこれだけ玄関に準備されている
ということです。これらの靴をしまうことで玄関の土間はすっきりします。
☆すっきりした土間のスペースに置く物の提案☆
・コンパクトな椅子・・・椅子を置くと靴の脱ぎ履きの時に腰をかけられたり荷物を置ける。
(可能であれば座った時に安定する背もたれ付の椅子)
☆壁などにスペースがある場合☆
・姿見の設置・・・高齢になると身なりや容姿に関心がなくなることがあるそうです。それは、認知症の初期症状 であることもある為、身だしなみの意識を持たせ、家族の声掛けで楽しく外出させてあげる。 楽しむという点、刺激を得るという点でもとても良いことだと思います。
☆玄関に潜む危険
・玄関にある危険な場所は段差の部分です。土間の部分と床の部分の段差(上がり框)の高さは10㎝~20㎝以下
が多いようですが、古い家だと30㎝近い段差になる玄関もあります。
1.段差から落ちる危険
・年齢を重ねると視覚にも変化が現れます。その一つがコントラスト(色対比)の感度が低下することです。
黄色と白色、黒色と青色などを見間違えてしまうことがあります。その見間違えで段差から落ちる、踏み外す
という事故につながります。
☆踏み外し防止のために上がり框の際にカラーテープなどで目印をつけることにより安全に昇降できます。
※玄関マットなどはめくれにつまずくこともあるので、極力避けるか、しっかりと固定します。
2.段差に上がるとき
・30㎝の段差があるときは、高齢者にとってはかなり高い段差になります。そのような高い段差には「式台」を
設置して高い段差を解消してください。
・上がり框際の壁に「縦手すり」を設置することで、不安定な体勢を手すりによって安定することが出来ます。
※「手すり」や「式台」はホームセンターなどでお手軽にお求めいただけますが、手すりの設置には注意が必要
です。固定する壁の部分にしっかりと下地が入っていなければいけません。通常の壁は石膏ボードが貼ってあり ますが、石膏ボードの厚みは9.5㎜か12.5㎜です。そしてこの石膏ボードだけに固定するためにビス止めすると 簡単にビスが抜けてしまいます。
※「手すり」が簡単に抜けてしまえば、大事故につながります。そのため「手すり」を固定するには、その
石膏ボードを固定している下地材に固定することが重要です。通常、石膏ボードを固定する下地材(間柱)は
300㎜~455㎜ピッチで入っています。「縦手すり」を固定する理想の場所は上がり框際ですので、その部分に
下地材(間柱)がない場合は、間柱間に化粧ベニヤ等をボードの上から貼り、化粧ベニヤ等をしっかりと固定し
「縦手すり」を固定してください。大人の力で力強く引っ張っても抜けない状態を作ってください。
※靴入れがあり、壁に「手すり」をつけられない場合は、靴入れの上面をカウンター式にして、手を添える部分を
作り、体勢を保てるようにしてください。
まとめ・・・
ちょっとした段差や荷物や物につまずいて、転倒して骨折したり、頭を打ったり、腰を打ったりしては大変です。
そんな大きな事故や怪我をしたときに、後悔する内容が「もう少し片づけておけばよかった・・・」とか
「あの部分は危ないと思っていたのに・・・」では悔しくて仕方ありませんよね。できることは早めに対策を
とる、危険を予知して事前に対応しておくということは非常に大切なことです。
☆玄関に限らず生活する全ての部分の危険個所を、家族全員で認識して対応することが大切です。
☆そして毎日の生活で『余計なものは置かない』『必要ないものは処分する』ということを意識したいです。