蓄電池設備

蓄電池とは・・・

充電することにより電気が蓄えられて電池として使用することができる。また、電気を使ってなくなった場合
再度充電することにより、何度でも使用することが可能な電池。(2次電池

蓄電池の出力は直流なので、太陽電池モジュールと同じ直流出力です。太陽電池モジュール直流電源を
発生させますが、蓄えることができません。蓄電池は電気を蓄えることができる電池です。

蓄電池設備とは・・・

電気を蓄えることができるシステムのこと。

電気を蓄えることはその蓄える電気量が一番の問題です。現在は充電で使用できる小さい電気工具や機器は
たくさんの種類があります。また電気自動車の技術開発で、車という大きな物まで電気で動かせる時代に
なりました。
乾電池を充電して何度でも使用できることにより、使い捨ての乾電池を買わなくて済むようにもなりました。

☆こうした、蓄えておいた電気を使うという考え方で力を発揮する設備が蓄電池設備です。

しかし出力が直流なわけなので、家庭用で使うには直流交流に変える「変換装置」が必要になります。

似たようなものとして「UPS」無停電電源装置があります。「UPS」も電気を蓄えることができます。
UPS」は交流電気を充電し、停電が発生しても機器に影響を与えることなく電気を供給することができます。

データなどは、供給される電気に瞬発的な変動があっただけでも、データが壊れたり、失われたりします。
処置として「UPS」が力を発揮することができます。しかし、長時間の電気の供給はできないので、
データを守るまでの役割として使用されます。

蓄電池はその蓄えることができる電気の量が「UPS」に比べて多いので、停電状態が続いたとしても
蓄えられる電気の量で、電気を出力することができます。

 

1・電気をどのように蓄えるか・・・


蓄電池に電気をためるには、そのもととなる電気が必要になります。エネルギーなしで電気を蓄えることは
出来ないからです。

もととなる電気は大きく分けて2種類になります。(電気を買うか電気を自分の家で創るか)

電力会社からの電気を蓄える。・・・蓄電設備だけを導入する場合は電力会社からの電気を蓄えます。

☆導入する一番の理由は、いつ発生するかわからない停電対策です。

?どれくらいの容量の蓄電池でどれくらいの電気を使用することができるのか?

Panasonicの蓄電容量5KWの蓄電池では?

・停電時に使用できる消費電力は「1500W」(1.5KW)です。蓄えられる「5KW」(フル充電)で
 停電が発生したときに1.5KW出力してくれるということです。
 (100Vの電圧で15Aの電流を使用したときの電力量が1500Wです。)

冷蔵庫1台約50W・LED照明約50Wを2台・テレビ約100W・携帯充電5W×3台を使用した
と想定します。

この家電の合計消費電力は約265Wです。

蓄電池からの出力は1500Wなので、十分に全ての機器の電気を使えます。

☆Panasonicのカタログによると約15時間使用OKとあります。

蓄えられている電気容量は5KW(5000W)です。使用する電気量は約265Wです。

単純計算だと5000÷250=20なので20時間使えるのでは?と思いました。

よく考えると直流交流に変換するわけですから、当然損失があるのだろうと・・・

そこで、カタログや仕様書を確認したのですが、変換効率がわかりません。

なので、ネットの力で調べてみると、「蓄電池の特性上、容量全てを充電、放電することができない」と
ありました。

(1)蓄電池直流で充電し、直流で放電します。電力会社から買う電気は交流なので、直流に変換して
 蓄電池に充電します。まずこの段階で損失が発生します。そして、電気を使うときはまず、蓄電池から
 直流で出力しますが、このままでは家庭用の電気で使用できないので、交流に変換します。
 この段階で2回目の損失が発生するのです。

この2回分の損失がそれぞれ約95%なので、5000W×95%×95%=4512.5Wになります。

それでは4512.5W÷265W=約17なので、約17時間になるのですが、カタログでは約15時間と
あるので、まだ他にも損失があると考えられます。

(2)放電深度という割合

放電深度とは、蓄電池の劣化を防ぐため、メーカーが設定するそうです。

その設定値が約70%とありました。

蓄電容量5000Wで約95%の損失が2回分と保護するための設定値約70%で計算すると・・・

5000×0.95×0.95×0.7=約3159Wとなりました。

3159÷265=約12なので、約12時間???

結局数字が合わないので、理由を予想します。

・そもそも計算方法が間違っている。
・充放電の変換効率が間違っている。
・メーカーの設定値が70%ではない。
・携帯の充電に15時間はかからないから、数時間目から携帯の電力量をなくし約250Wで計算している。
・15時間テレビはつけっぱなしにしないと想定して途中からテレビの電力量をなくしている。
・夕方6時に照明をつけても12時間後には朝なので、照明の電力量を数時間なくしている。

思い当たるのはこれくらいです。この問題が解決したら、早急にこのページを修正いたします。

まとめ

・停電時間15時間は日本の電力事情では想定しにくいので、十分に蓄電された電気を有効に使うことが
 できる。

・停電状態でも使用する電気量を節電したら、もっと長い時間電気を使用することができる。

・災害対策として、電力会社から電気を買い、蓄電しておくメリットは十分にあります。


・太陽光発電設備で創られた電気を蓄える。

☆Panasonic蓄電池・蓄電容量5.6KWhタイプを参考にします。

昼に太陽光発電設備で創られた電気の使い方は自由です。でも一番影響のあることは「生活スタイル」です。

1.昼間は家にあまりいないのであれば、使い道のメリットは「売電」になります。

2.昼間はほとんど家にいる場合は、昼に使う電気を買わないで、太陽光発電で創られた電気を使います。

                      (東京電力でんき家計簿より)

この表で一番電気を使用した月がH26年の1月で599KWh光熱費¥17,368を参考にします。

太陽光発電設備のページで、システム容量4kWの太陽光発電設備を導入した場合のH26年1月の予想発電量は
365KWでした。(年間予想発電量は4306KWhです。)

1日の生活スタイルはそれぞれ違いますが、この表の生活スタイルは「昼はあまり家にいない」パターンです。

この表で、計測日数が33日なので、単純に599KW÷33日と計算すると、1日あたり、18.2なので、
約18KWh使用したと仮定します。

「昼はあまり家にいない」ので、電気を多く使用している時間帯を夕方の5時から夜の12時と想定して
電気を多く使う時間を7時間とします。

(厳密にいうと、昼間も夜間も人の動きに関係なく動いている家電(冷蔵庫)がありますが、冷蔵庫は
 運転したり、停止したりと正確な電気使用量を求めるには難しいです。なのでここでの計算では、
 蓄電設備を導入したらという見方で、少し正確性に欠けますがシュミレーションします。)

1日約18KWh使う家が、その使う時間を7時間と想定すると、1時間あたり18÷7で2.57
(2.6KWとします。)

電気を買うタイプの蓄電池も蓄電容量5KWhに対して、1.5KW以上の出力はできませんでした。
停電時に使用することが目的なので、この制限が必要だと考えられます。

非常用電源としてでなく、日々の生活で使用する蓄電池ですが、やはり制限があり2.0KWのようです。

しかし、7時間で2.6KWh使うとはいえ、2.0KWしか使えないとしても、生活に大きな支障はないと
想定できます。逆に、使える量が決まっていれば、無駄な電気を節約できます。

それでは、1時間あたり2.0KWh使えるとして、蓄電容量及び特性からすると、2時間程度しか使えないと
いうことがわかりました。

結局蓄電池を導入しても、電気は買わなければいけないと想定できます。

まとめ

数字や計算でなんとなくですが、蓄電池設備のことが理解できました。このシュミレーション結果だけみると
結論から言うと、電気を買わなければいけないということがわかります。

しかし、

・月間の使用量の中で、一番電気を多く使った月で計算していること。
・生活スタイルが「昼間家にいないこと」。
・1週間ずっと「昼間家にいないこと」ではないこと。(土日は休みなので)
・1か月の使用電力量を1日平均にして換算していること。
・7時間で使用する電気を1時間平均で換算していること。
・蓄えた電気のみで、生活のすべての電気をどう使えるかとして計算したこと。

以上のような理由が考えられます。

それでは、どう考えることができるでしょうか。

・昼に太陽光で創られた電気は充電に蓄える電気のほかは「売電」されているということ。
・夜にしか使えない電気もあるが、昼の太陽光発電の電気を使うほうにまわせるものがないか。
・普通に生活していた電力量なので、節電を意識して使ってみよう。
・「生活スタイル」も見直してみよう。
・そのほかの機器(HEMS)を導入して、何に電気が使われているか「見える」ようにしよう。

など、まだまだいろんな検討ができると思います。

必要なことはまず、その機器特性をしっかり理解することです。「太陽光は発電してくれる
蓄電池は蓄えた電気を使える」「HEMSは無駄を制御して管理してくれる」程度では、想像している
メリットだらけの結果にはならないと思います。

発電された電気をどのように使うか」「蓄えられた電気をどのように使うか」「見える電気量に対し
どう対応するか」これらの考えの答えは、その生活している全ての人が一致するわけではありません。

「一般」や「平均」のメリットばかりで理解するのではなく、「自分の家の場合」として考えることが
とても大切です。

それぞれの機器の特性を理解すれば、「自分の家の場合」のメリットしかない結果に結びつきます。

「何ができて」「何ができない」かも、それぞれ違います。「自分の家の場合」の条件を出来る限り
 細かく知ることにより、シュミレーション結果もそれぞれ異なってきます。

☆「太陽光発電設備」で電気を創る「蓄電池設備」で電気を蓄える「HEMS」で見えるようにすること
  それぞれの特性をしっかり理解して、「必要な物」「不要な物」を見極めることにより、
 「自分の家の場合」としての導入を検討することができると思います。

☆「蓄電池設備」はまだかなり高額な設備です。「失敗しないため」にもしっかりとした検討が必要です。